高野和明さんのジェノサイドは人生最高の一冊!?一気読み間違いなし!
人生最高の一冊とは評価しすぎでしょうか?
正直、小説好きとしては安易に人生最高の一冊とは言いたくないのですが、それ位面白かったんです・・・
まずこの作品を一言で表すなら「ハリウッドアクション映画」でしょうか?
内容としては大きな2つの物語があります。
1つは
創薬化学を専攻する大学生の古賀研人に急死した父親から送られてきた1通のメールを機に父の遺志を継ぎ、難病・肺胞上皮細胞硬化症の治療薬を創ろうとする。彼には『GIFT』という創薬のソフトが託された。そのソフトは、現代の科学では実現不可能なような、どんな創薬をも可能とするようなものだった。ところが、そんな彼に警察の手が伸びる。コンゴにいる"アキリ"の抹殺を試みるアメリカ大統領が、FBIを使い、創薬を阻止しようとしているという物語。
2つ目は
兵士のイエーガーは、未知のウィルスに感染したとされる現地民掃討作戦のため、現地入りしていた。ところが、現地にいたピグミー族は、ウィルスなどに感染してなかった。ルーベンスを庇護する生物学者・ピアースに説得され、実は狙いがアキリにあると知らされる。アキリは、新人類とでもいうべき、恐るべき知能を備えた子供だった。その新人類に支配されることを恐れたアメリカ大統領は、ルーベンス抹殺を指示したのだった。コンゴを脱出し、イエーガーはピアースに日本へと向かう警護を依頼する。その依頼の報酬は、肺胞上皮細胞硬化症で苦しむ息子の治療薬だった。という物語です。
冒頭でも記載した通りハリウッドのアクション映画のような壮大な物語でありながら緻密に散りばめられた複線、読者を再度に「なるほど!」と言わせるような最高の作品となってます。
もちろん、批評されている点もあるので大まかにまとめてみました。
批判その1
物語に出てくる傭兵4人のうち1人が日本人で、日本人だけが生まれつきの殺人者で残虐性を持った殺人者として設定されている点です。
(正直、この人物は日本人の設定でなくてもよかったのは確かですが、私個人としては作者に悪意があったとは思いません。)
批判その2
批判その2
作者の歴史観。例えば関東大震災で日本人が朝鮮人に対して行った虐殺行為など日本人の朝鮮民族軽視の国民性が糾弾されています。つまり主人公が冷静に歴史を語っているように見せかけて日本人の残虐性を伝え、また朝鮮贔屓の内容が描かれているため、作家の高野さんの歴史観はおかしいという声があります。
批判その3
残虐な描写が多い。例えば「神の反乱軍」というテロリスト達が村を襲い、その村の子供たちに自分の母親をレイプさせ、その後に殺させるというような内容が描かれています。確かに過激でページをめくるのが苦しくなるような内容ではありますよね。
でもあくまでもフィクションの小説です。そこは割り切って読むしかないと思います。作者が必要な物語と思って書いたのですからね。
まとめ
批判されている点はありますが、私はこんなに夢中になって本を読み進めたのは久しぶりでしたし、本当に素敵な作品に出合えたと思ってます。もし、まだジェノサイドをよんでいないのなら一度手に取ってみてください。合う、合わないはあると思いますが私としては大満足な一冊でした。
- 作者: 高野和明
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/30
- メディア: 単行本
- 購入: 14人 クリック: 433回
- この商品を含むブログ (196件) を見る